動物病院の看護師さん
動物看護師は、主に動物病院等で働く獣医療補助者で、ペットの病院の看護師さんとして人気の高い職種です。
ペットを飼っている世帯の割合は、調査によって若干差はありますが、おおむね4割程度ですので動物病院自体の業務は、需要が多い職種と言えます。
国内の動物病院・診療所の数は1万ともいわれます。
仕事の内容は、獣医師の指示の下で動物の診療補助、カルテ作成、動物の健康管理・しつけ、血液などの検査、医院の受付、飼い主に対する説明・アドバイスなどがあります。
人を対象とする医療の看護師と比べると、対象が動物というだけでなく、検査や調剤など人の医療では他の資格の職種(検査技師・薬剤師)が担当する業務もしなくてはいけません。
ただ、動物看護師の業務可能な範囲は極めて曖昧なところがあり、どこまでできてどこからできないかという線引きが求められています。
動物看護師は動物病院以外に、ペットショップ、ブリーダーその他の動物系施設・企業などでも活躍しています。
国家資格ではありませんので、資格がなくても動物看護師にはなれます。
しかし、民間資格であっても次に説明する「認定動物看護師」の資格があれば、間違いなく就職などに有利でしょう。
認定動物看護師への道
動物医療の発達の伴い、専門的で高度な獣医学、動物科学の知識等が求められるようになっています。
認定動物看護師になるには、2~4年の大学や専門学校で学習し、動物看護師統一認定機構が実施する「動物看護師資格の統一認定試験」に合格して「認定動物看護師」になるのが一般的です。
「認定動物看護師」の登録者数は15,814名 (2016年6月9日現在)です。
この資格は、人を対象とする医療における看護師と異なり、あくまでも国家資格ではありません。
しかし、これまで様々な機関がバラバラに独自の基準で資格試験を実施していた試験が統一されたことを考えると、将来的には公的資格を目指しているのかもしれません。
ちなみに動物愛護の先進国・イギリスでは、動物看護師の資格は獣医師と同様に王立獣医師協会が管轄しており、社会的地位が認められています。
また、アメリカでは、各州の法令に基づき州獣医事委員会で資格が認定されています。
福利厚生面をよく確認して仕事を選ぶ
動物看護師の給料は、平均年収300万円~350万円程度で、決して高収入という訳ではありません。
これは希望者が求人より多いためなのですが、動物看護師業務はきついケースが多いので、仕事にやりがいを感じられないと続けていくのが難しいのではないでしょうか。
給与以外に病院によっては福利厚生が充実していますので、病院に就職する際は、待遇を含む労働環境を事前に確認することが必要です。