海や川で魚を獲ったり育てたりして市場へ
漁師は、川や海に出て漁をし、魚介類を獲ったり養殖したりして市場に出すことです。
漁を行う場所によって、大きく4種類に分けられます。
①遠洋漁業は、南太平洋、アフリカ近海のインド洋、さらに北大西洋を漁場とし、カツオ、マグロ類等、少ない種類の魚の漁をして、冷凍して持ち帰り、一度に大量に水揚げします。
船は大型で、一度日本を出ると短くて1カ月、長い場合は1年以上も帰国せずに漁を続けることもあります。
近年、日本の遠洋漁業による漁獲高は減少していますが、国際的な魚の資源管理の議論をリードする上で日本は重要な立場にあります。
②沖合漁業は日本の200カイリ内で操業し、食卓でお馴染みの、アジ、サバ、イワシ、サンマなどのいわゆる大衆魚やエビ、カニを獲ります。
魚種や漁法、漁場によって仕事の内容は様々で、日帰りの漁から2か月近く船上生活を必要とする漁まであります。
③沿岸漁業は全国津々浦々の漁村で行われており、アジ、サバ、タイ、ヒラメ、カレイなどのほか「地魚」と言われるような各地域の特色ある魚介類を獲ります。
船の規模は乗員1〜2名の小型の船や、多くても数名程度の小型船です。
沿岸漁業漁師の多くは個人経営です。
④養殖業は生簀などで魚介を育てて出荷します。
対象の魚は、タイ、ブリ、ホタテガイ、カキ等の魚介です。
今後、技術の発達とともに、養殖できる魚の種類が増えたり、発育の良い育て方が考案されたりしていくと思われます。
生産量では、2014年の資料でおおむね、沖合漁業48%、沿岸漁業23%、養殖業21%、遠洋漁業8%です。
漁師を目指す
漁師は上記の漁業の種類や地域によって、働き方が様々です。
自分が目指す漁師の姿をイメージできるように、直接漁師の話を聞き、漁業体験などに参加します。
目指す漁師の姿がイメージできたら、ネットやハローワークで入手できる求人情報を元にアプローチします。
見習いとして個人の船主や漁業会社の船に乗ることが第一歩です。
沿岸漁業で漁師として働く場合を例に挙げますと、師匠に弟子入りするような関係で修業しながら、船舶や無線などの免許を取って独立を目指します。
船主やその家族、地域の漁師仲間から漁の技術以外にも様々なことを学び、地元住民として「地域産業を担おう」という強い気持ちが求められます。
漁業就業支援フェアに参加して漁協や漁業会社に採用が決まると、一定の期間、採用予定の職場で仕事をしながら漁業関連作業の基礎の指導を受けることができる、国の補助事業である「漁業研修制度」を活用できます。
水産物の価格は漁獲高の影響を受ける
魚介類の価格は漁獲高や漁船の燃料油等の価格によって大きな変動が生じやすく、所得はそれに左右されます。
沿岸漁船漁家の2014年の平均漁労所得は約200万円です。
養殖業を営む個人事業者の漁労所得は、餌の魚粉価格の影響を受け変動が大きく、近年は、300~500万円台程度で推移しています。