ジャパンアニメーションを支える仕事に就く
アニメーターとは、日本で放映されているアニメを製作するスタッフのことです。
アニメを1本製作するためには、原作、脚本、背景、動画、音響とたくさんのスタッフが連携していくことになるのですが、アニメーターはアニメの肝となる作画を担当していきます。
イラストである一枚の絵をアニメにして動かすためには、複数の絵を作成してそれをコマ送りすることになりますが、その際に必要になる大量の原画を分担しながら複数のアニメーターが作成するのです。
アニメーターと呼ばれている人にも「原画マン」と「動画マン」の二種類があり、まずは「動画マン」として他の先輩アニメーターが描いた原画をもとに割絵を描いていきます。
「動画マン」として経験を積んでいくと原画作業にステップアップするチャンスが出てくるので、キャリアを伸ばし最終的にはその1本のアニメ全体の原画をチェックする「作画監督」を目指します。
動画作成作業は、他の人が描いた絵を元にきめられた動きになるように途中の絵を描く仕事なので一見簡単そうですが、実際にはスムーズな動作になるよう正確なデッサン力や模写力が求められます。
動画マンとして経験を積むことで多くの作画監督のテクニックを学ぶことができるので、アニメーターとしての技能を伸ばしていく修行になるのです。
基本的にはフリーランスとして働く実力主義の世界
アニメ業界全体に言えることですが、特定の企業に正社員として勤務をするという例は少なく、ほとんどの人はフリーランスとして請負で仕事を受注します。
アニメーターもその例に漏れず、特定のアニメの製作が決まったときにその製作委員会から受ける作業を担当して、歩合制で給与を受け取ります。
つまりもともと絵がうまく仕上げるのが早い人は、人よりも数多くの作画を仕上げることができるのである程度の収入が確保できます。
しかし、そのレベルに達していないうちに業界に入ってしまうと月収数千円といったような極端な薄給状態になってしまうのです。
新人アニメーターのうちの給与は非常に安く、一枚150~250円程度です。
それが作画を担当できるようになると一枚あたり2000~2500円にまで単価がアップするので、いかに下積みを早く終わらせキャリアを伸ばすかが重要になってきます。
しかしやはり現実は厳しく、ほとんどの人が下積みの時期に激務に耐えられずやめてしまうというのが現状です。
またアニメ製作会社そのものも事業が安定しているわけではなく、昨日まで仕事をもらえていた会社が突然廃業していたなんていうこともこの業界では珍しくありません。
実力主義の世界であるため、組織に頼らずどのように自分のキャリアを伸ばしていくかという戦略が必要になります。