土壌を作り果実・野菜を育てて出荷まで
農家は、穀類・野菜・果物・花などの農作物を育てて出荷します。
育てる農作物の種類により具体的作業は異なりますが、どの作物も植物を育て、その成果物を収穫し出荷するという流れは同じです。
国内で多く栽培される「お米」の作業内容は次のような順序となります。
①土壌づくり
良いお米を育てるために、まず土壌づくりを行います。
田んぼに肥料を入れて、トラクターで耕作します。
栄養のある土からは丈夫な良い稲が育ち、おいしいお米ができますので、これはとても重要な作業です。
②田植え
ビニールハウス等の苗床で育てた苗を、田植え機で田んぼに植え替えます。
③日々の手入れ
日々、田んぼには肥料を追加したり、除草をしたり、水の入れ替えをしたりして、手入れをします。
④収穫
稲が育ち、黄金色の稲穂が実ったら、コンバインで収穫します。
刈り取った稲は脱穀しますが、自動で収穫と同時に脱穀してくれるコンバインもあります。
脱穀が終わり、出荷が終われば一連の作業は終わりです。
基本的には、以上の作業を繰り返すのですが、天候や作物の病気に影響されますので様々な情報を集めて、対策をする必要があります。
また、人によっては「無農薬栽培」「有機栽培」など、健康を気にする消費者が求める栽培をして、付加価値の高い作物として、インターネットで直接消費者に販売を行う方も増えています。
農家は農作業だけでなく、良いものを作り、より多くの収益を上げる、ビジネスとしての経営能力が求められるようになっています。
個人事業主になるか法人の従業員になるか
農業を希望する人の多くは、農業高校や農業大学校などの農業コースに進学して農業のノウハウを学びます。
個人事業主は農家の跡取りが多いのですが、栽培の計画から販売手法まで全てを自分の裁量で決められる反面、農地の管理や資金繰りなどの経営責任が伴います。
農機具は手押し型でも数十万円、大型の高いものは1000万円以上もするのです。
もともと家が農家でなくて脱サラなどで農家を目指す場合は、数年間は農業法人で技術や経営を学んだほうが良いでしょう。
近年増えている農業法人に就職する場合、サラリーマンと同様に給料をもらいながら働きますので、個人事業主のように自分の思うようにはできませんが、収入を得ながら技術や経営の力を身につけ、独立を目指すことができます。
農業の未来
農家の所得は規模などによって大きく左右され、特に農業従事者が高齢化しているので平均所得は意味を成しません。
TPPなどを機会に農産物を輸出できる競争力を持つ強い農業を作るという国の方針がありますので、新規農業参入は仕事は厳しいものの魅力のある業種と言えます。