動物医師はこんなところにも
獣医師は、動物病院に勤めるペットのお医者さんのイメージが強いのですが、実は多くの分野に活躍の場があります。
①県や市の公務員として牛や豚などの家畜の健康管理、疫病治療業務など
②動物園、水族館、競馬場などの獣医師・繁殖・飼育業務など
③動物に効果のある医薬品を開発するために製薬会社の研究開発業務など
④乳業関連企業で、商品の品質管理や改善、商品開発業務など
とかなり幅広く活躍しています。
ただ、動物園や水族館は募集が少ないにもかかわらず人気があるので、かなり狭き門です。
獣医師への狭き門
獣医師になるには、獣医師養成課程のある大学(6年制)に進み、国家資格の獣医師免許を取得することが必要です。
幅広い専門知識と技術が求められる獣医師を目指す大学は、人気があるのに定員が少なく、難易度は高いです。
日本国内では獣医学科を設置している大学自体が、国公立11大学、私立5大学の合計16大学と少数です。
獣医学科の大学では、家畜の病気の診断や予防・治療以外に、動物用医薬品の研究開発、絶滅危惧動物の保護や繁殖も学びます。
また、畜産業にダメージを与える口蹄疫や鳥インフルエンザなど家畜の伝染病予防も重要なテーマです。
獣医学科の修業年限は6年間で、1・2年次は解剖学、細胞生物学などの基礎知識を学びます。
3年次から専門的な研究や実習用動物での実験・実習が行われます。
そして6年次には卒業研究や病院での実習などを経て、獣医師免許を受験します。
研究領域が広く、地域の畜産業等の特性もあり、大学によって扱う動物の種類や重点分野が異なります。
獣医師を目指して、大学の獣医学科を選ぶ際には、各大学の特徴を調べて大学を選ぶと良いでしょう。
こんな人に向いています
動物に触れないでは話になりませんので、動物が好きなことは必須です。
自然科学の分野ですので、動物に関する探究心も必要です。
また、対象が人か動物かという違いはありますが、やはり医学ですので、臨床現場では注射や手術はつきものです。
学生のうちから、生きた動物のおなかを切開し、去勢や避妊手術を行い、閉腹したりする実習もあります。
慣れはあると思いますが、「血は絶対に無理」という方にはきつそうですね。
高収入も期待できる
2013年の厚生労働省統計資料の情報によると、大企業を含む10人以上の企業で働く獣医師(平均年齢36.2歳)約3,000名の平均月収は約38万円になります。
ボーナスを除いて、残業等時間外給与を合わせると月収約39.5万円弱となります。
時間外労働を含まない給与の中では、獣医師は統計上、129職種中13位と高い方にランクする高収入の職種といえます。
獣医の年間のボーナスは平均約77万円なので、残業を含む給与で年収計算をすると、平均年収は550万円強となります。
統計資料によると獣医師の時間外動労は4時間です。
全体平均の時間外労働は約15時間ですので、残業の少ない職業です。